2021年10月7日(水)、好きを語ろう読書会(京都伏見桃山)が招集され、5名で好きな本を紹介しあいました。
純喫茶のようなコーヒーチェーン店で19:00~20:00の1時間、計5冊の本が紹介されました。
今回は当日キャンセルが相次いでピンチに陥りましたが、当日参加も相次いて回復しました。
結果、充実の1時間でした。
以下にどんな本が紹介されたか記します。
痴人の愛(谷崎潤一郎)
紹介者、グロ。
大正時代を舞台にした小説。28歳の主人公が15歳の少女の身元を引き受けて、自分好みに育てようと試みる。なんでも言うことを聞いてくれる女性の登場は最近の異世界転生マンガにも通ずる。
しかし、徐々に美しくなるとともに奔放になっていき、主人公の葛藤が始まる。
大正14年(1925年)に発行された作品、2021年からは96年前、およそ100年前の作品をこんなにも面白く読めることがスゴイ。
くじらあたまの王様(伊坂幸太郎)
紹介者、マグロ。
主人公はお菓子会社に務め、クレーム処理に長けた人で、その能力を買われ、ある政治家から接近される。「あなたと夢で出会った」と。ここから運命が変わっていく。
この本のウリは、
1.小説パートと漫画パートに分かれている。漫画パートは挿絵的に解説されているわけではなく、隠された意味がある。
2.平凡な主人公が脅威に立ち向かっていく様。
3.コロナ禍を予見するようなことが書いてある。
ちなみに「くじらあたまの王様」はハシビロコウの学名で、物語にはこの鳥がキーポイントになる。
短期的には非難されても、大局的には大勢の人を救うことができればそれでいい
脳をスイッチ!(菅原 洋平)
紹介者、ミシャ。
読書会でこの著者の他の本が紹介されたことがきっかけで読み始めた。
朝起きてクリエイティブな時間を過ごしたい。
脳に良い環境を作るための具体的な方法が書いてある。
例えば、1週間を金曜日始まりにする。
あるいは、考え事は5分、調べ物は15分、勉強は90分でやめる。
など。
この紹介をきっかけにスマホ依存の話で盛り上がった。
ラジオなど音声を流しておくとスマホを触らなくて済む、と実践的な話が聞けた。
めんつゆひとり飯(瀬戸口みづき)
紹介者、サム。
ズボラな主人公がめんつゆだけで料理をする漫画。レシピ本とも言える。主人公の面倒くさがりに共感する。
他にも丁寧な料理を心がけるキャラも登場し、対比もあるが、お互いに尊重し合う関係。
カレールーをめんつゆでのばすカレーうどんは、どんなお店のカレーうどんより美味しいとサムは語った。
化学調味料を許容するかどうかなど、料理の話題で盛り上がりました。
かげきしょうじょ!!(斉木久美子)
紹介者、ゆいまーる。
過激な少女が、歌劇をやる漫画。宝塚音楽学校のような学校に入って、ライバルと戦ったり、憧れたりする。
これがアニメ化されていて、一緒に沼にハマって欲しいとのこと。
これを見ると、宝塚歌劇団に興味が湧くし、その先には原作の漫画や小説、出演者を追いかけるなど、色んな沼が存在するので、ぜひアニメを見て欲しいとのこと。
読書会の正しい使い方だと思った。
紹介された本は以上の5冊です。
以下は事務局の感想。
私は気付いた、ここに至る読書時間が幸せなものになっている。
普段に本を広げる時、
「この本ならどんな風に紹介するかなぁ」
と考えながら読むので、孤独な時間ではなくなるし、感受性も上がっているかも。
読書会が存在することによって、1冊の本からより多くのものを引き出せている、すなわち豊かになっている。
他の参加者も、読書会によって本に手を伸ばす機会が増えたと言っているので、とても嬉しい。
運営については、人数調整が難しいです。
10人くらい集まるんじゃないかと募集を始めたけれど、5人で、しかも2名もキャンセルになった。
ドタ参のおかげで適切な人数になりましたけど、オープン会の難しさを感じます。
とにかく、好きな本について遠慮なく語るのはめっちゃ楽しいのでやめらんねぇな、というところ。
音声データ配信
聞き取りにくいかもしれませんが、雰囲気は伝わると思います。
次回
次回は11月10日(水)に実施します。
好きを語ろう読書会第8話(こくちーずプロに飛びます)
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