紫陽花、蕨餅、読書会


活字離れが進む世の中ですけど、私は小説を書いたり読んだりしております。
読書体験をより良きものにするために、読書好きを集めて語ってみよう。また、読書をすることによって人と繋がれるならば、そこに新たな価値が生まれるかもしれない。
と、なんとなく社会的意義をアピールしてみましたが、私が小説を書くにあたって何らかの参考にしたい、という下ゴコロ満載で実施しておるのが「好きを語ろう読書会」です。

2022年6月11日(土)「好きを語ろう読書会 in Holiday 2」が招集され、5名でお気に入りの本を紹介し合いました。そしてわらび餅を食べて雑談しました。愉しかった。

これまでは「以下にどんな本が紹介されたか記します」って、記録を意識した要約文を書いていたのですが、もう時代に合っていないのでなはいか! そんな空気を感じた。
というのも、西原理恵子氏がちょっと炎上していて、これは娘さんがブログにて「あの人は毒親だ、家族のプライバシーを金にして、そのせいで私は病んだ」というような表明をしたことが発端。
私はこの炎上問題に首を突っ込むつもりはないが、人の情報や写真、話した内容の取り扱いには慎重さが必要と感じた。今まで以上に。

昔と違って、現代は誰もが発信できる。
Twitter、Instagram、YouTube、TikTokなど、簡単です。注目を浴びれば金にもなる。
これにより、自分自身もコンテンツを作れるという意識が高まっていると思われる。
ですので、昔よりも自分の情報に対する権利意識が増してるんじゃないだろうか。

紹介本の要約はコミュニティのためにやってたのですが、それでも他者の発言をコンテンツ化するのは、良くないかもしれん。
これからのやり方は、各自にTweetしてもらって、貼り付けるような形が正しいのかもしれん。
と、お固いことを考えています。

というわけで、まずは紹介された本をリスト化します。

どんな人がどんな風に紹介したのでしょうか?
私ども読書会参加者は、誰がどの本を持ってきたか推理ゲームを愉しみます。
ちなみに私は全問正解だったと自慢しておく。

で、ここからは、紹介の要約ではなくて、私小説のように「私は」という主語で、私の主観として何かを書き進めたいと思います。

羊と鋼の森(宮下奈都)

この本は私が紹介しました。青春小説、お仕事小説だ。それ以上のことは言わなかった。主人公は就職したての男の子で、どんな仕事に就くか? を知らぬままに読んでほしかったので、説明しませんでした。
ですから、紹介はかなり難しかったです。
森にたとえることが素晴らしいことや、主人公が仕事に向き合う姿と文章表現の苦悩がリンクして瞳が潤んだことを説明しました。
「なんにも紹介してないやないか!」
と、言われたのですけど、好きな本を紹介すると見せかけて自分について語る会なので、別に紹介しなくてもいいんですよ、ハハハハ。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(フィリップ・K・ディック)

私が聞いた説明によると、SF小説らしい。発行は50年以上前の1968年。
第三次世界大戦が起こり、核戦争後の未来世界が舞台。
映画「ブレード・ランナー」の原作小説で、近未来の世界観。
AIと人間は何が違うのか? など色んなテーマ性があるらしい。

古いOSのアンドロイドは破壊されてしまうのだけど、本当にそれでいいのか? と突きつけられる。
読書会参加者も、アウストラロピテクスが生きていたら殺されてしまうよね、と議論しました。

彼女が最後に見たものは(まさき としか)

私が聞いた紹介によると、イヤミスらしい。
終活、なぜ生きるのか? どう生きるのか? を考えさせられたそうだ。
ホームレスの女性が殺害されるのだが、その女性の人間関係の闇が暴かれていく。実は不幸の連鎖が起こっていた!

私の主観ではこういう話は全然読みたくないので、右から左に聞き流していたのですが、メタルギアソリッドの監督の言葉が紹介された。
小島氏は人はなぜ生きるのか? というと「未来に希望を残すためだ」と。人が残せるものは4つある。
1.生物的遺伝子
2.文化
3.シーン(時代みたいな意味)
4.センス(これは意志)

で、この作品のホームレス女性は4つ目のものを残した。
人生の意味にそういう考えもあるのか、と学べる作品だったようだ。

私は文化を残したいですね。読書会文化が脈々と続いて欲しい。
あと、私の書いた物語。

心がほどける小さな旅(益田 ミリ)

私が聞いた紹介によると、この本は紀行文・エッセイ。イラストやマンガもついてる。
コロナ禍でどこにも行けなかった日々において、旅をした気分になれた作品だそうだ。食事の細かい描写などにとても共感できる。
自分もやってみたいけど、勇気が出ないことをさらっと書いてあって、等身大だから疑似体験できる。
中でも郡上八幡の徹夜踊りの章は森見登美彦的な世界で、すごく行きたくなった。

と、ここで私は読書会の主催者にあるまじき行為をします。かなり話に割り込みました。なぜなら私は盆踊りガチ勢で、郡上おどりについてなら、踊り方や思い出については3時間は語れるからです。
出来得る限りこの衝動を抑えたのですが、かなり盆踊り愛が漏れ出してしまい、徹夜踊りを本気で踊って亡者のようになったことを語ってしまいました。

とにかく、興味あるなら一緒に行こう! という結論に達しました。

大声を出すイベントとか、他にも興味深い旅が綴ってあるそうです。
これは読みたくなった。

祭りの大切さについてみんなで語り合ったのはこの時だっけ?
美輪明宏さんが「地域の祭りがなくなったらメンヘラが多くなるに決まってる」と仰っていたそうです。
みんなで「黙れ小僧!」などと言いながら、祭り大事やな、盆踊り大事やな、と話した。

大好きな人が振り向いてくれる本(ANNA)

私が聞いた紹介によると、これは女性向け恋愛指南書です。
「しあわせのコンパス」という本の中で、東村アキコさんが「これを読め」とばかりに紹介した本で、この本を紹介された女性たちは、次々に結婚・出産に至った、というエピソードが書いてある。
だから、女性は読んだほうがいいんじゃないかなぁ、と男性が紹介してくれたのです。

いやいや、この本を紹介してくれたのが「結婚して超幸せです~」とか言う女性だったら説得力があるのですが、独身男性! 説得力に欠ける!
恋愛だけではなく人間関係全般に応用できるらしいんですけど、ふわっとしちゃうな。
ですので、実際に使えるか試してみました。

Q. そもそも出会いがないんですけど?
A. 無回答
これについては、意中の男性がいることが前提の内容みたいでした。

Q. 男性から友達としか扱ってもらえないんですけど?
A. 女装せよ
男性はひと目見た時点で、セックスできるかできないか、を判定しているらしく、一度セックスできない判定をされると覆ることがない。 と書いてありました。

どうでしょうか?
これを読むと、男性の心を鷲掴みにするヒロインを描けるのかな? と作家的下ゴコロが湧きました。
ちょっとしたセリフとかで「わぁ、この子可愛い」って思わせんとあかんからね。

以上、極力、私の主観を強調して書かせていただきました。
どの本かを読みたくなりましたか?
読書会に参加したくなりましたか?

祭りや文化やコミュニティがのこる社会がいいなぁ、と思わせられる読書会でしたね。

読書会については以上です。
あなたが良い読書ライフを過ごされることを祈念しております。


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