大江健三郎さんの「新しい文学のために」を読了しました。
純文学の書き方・読み方の指南書。
「文学を読む、あるいは書くための態度、尺度を明らかにする」とあるが、難くてちんぷんかんぷん。
内容を理解するための素地が私にはない。
1個だけ分かったのは文学とダンスは似てるってこと。
○
文学、ぶんがく、ブンガク。
重みのある言葉だ。国語辞典で頭頂部をガツンとやられるような重み。
だから気軽には扱えない。
私は小説って技術で書くものだと考えていて、何らかの言語で誰かの心の何かを動かすのはプログラミングに似ている。
だけど、プログラミングには技術書が豊富で、ネットで調べれば答えにたどり着けたりもするけれど、小説の技術書はあまりない。
プログラミングと違って、目的が多すぎるんだろうなぁと思いつつ、自分自身で技術体系をまとめる必要に迫られる。
小説って、ミステリー、恋愛、ファンタジーなどいろんなジャンルがあって、それぞれにおいて必要な技術が違う。
と、いうことが最近ようやく理解できてきました。
めっちゃ文章が下手でも、小学生とか中学生の一人称で書けばリアリティが出たりするんですよ。
上記の理由で、技術を学ぶために本書を手にとってみたところ、とても難しい。
純文学を扱っているので、私には重くて遠い世界です。
内容を理解するための素地がない。
そもそも、引用されれている作品を読んだことがない。
ダンテの「神曲」やトルストイ、ドストエフスキー、ディケンズなど、引用されてはいるが未読ゆえ、著者と同じものを見れない。
ちんぷんかんぷん。
私はただリズムカルにペラペラとページをめくった。
ただし、ちょっとは受け取れたメッセージもあります。
・文章を自己検証しよう。言葉、文章、人物、いろんなレベルで。
・「異化」しよう。これは非日常かと受け取った。
・普段は意識外にあるものを言葉にしよう。
・ただの言葉に質感を与えるのような?
このあたり非日常という点で「ダンスと似てるな」って思いました。
純文学には純文学の、エンタメ小説にはエンタメ小説の、作法や方法論があると思うし、そのジャンルがどんどん細分化されていると思います。
なんとか自分が好きで得意なジャンルを見つけ出し、先鋭化させるのが大事なのかなぁと思っているところ。
だから今は本書の内容を理解できぬままでいっか。
「文学はダンスと似ている」
という名言を残し、分かった気になっておく。
リズム、動き、抽象化、非日常、とにかく音楽が鳴ったら踊ること。
同じだ!