同窓会みたいな気持ち「ぼくらの七日間戦争by宗田理」


宗田理さんの「ぼくらの七日間戦争」を読了しました。
中学生が大人に反抗する小説。
この映画版はよく見たので、少年の頃の友達に再会するようなエモさでした。
秘密基地は男子のロマンですよね。

小学生の頃に最も欲しかったものは秘密基地だった。
もちろん、トランスフォーマーとかゾイドとかファミコンソフトも欲しかったけど、今から思うと秘密基地があったら最高だったよな。
たしか小学4年生のあの日、橋の下を秘密基地にしようと思った。金網が張られていたけど穴が空いていたから。
そこで友達と遊んだ。ああしたいこうしたいと欲求が湧いた。
だけど2回目であえなく終了。
当時は火遊びにも興味を持っていたので、ダンボールを燃やしてたら、上級生に発見されて、学校に連絡を入れられてしまった。
今の視点では、叱られて終わって良かったね、と思うけど、当時は大切な物を失った気がした。嘘をついて正体を隠せばよかったかな、なんて。
「ぼくらの七日間戦争」はあの日の欲求が詰まったような作品だ。

その昔、映画版はよく見ました。特に弟がVTRでしょっちゅう見てた。だから色んなシーンを思い出せる。自衛隊ホイホイとか、飛び降りるシーンとか、「僕はここに残る!」みたいなシーン。
原作はこの度初めて読みましたが、懐かしかったです。
昔の友達に再会するような感覚。思い出話を語らうような感覚で読みました。
映画版では高校生のようなイメージだったけど中学生で、知らない誘拐事件などもあり、内容は新鮮だった。

とにかく、中学生が大人に反抗し、閉鎖された工場を秘密基地にしてひと夏の合宿をするような話。教師や誘拐犯や市長などを相手に奮闘。敵が多くてなかなか壮大だ。

児童文学として発表されたわけではないようだが、セリフが多くて読みやすい。テーマは深く、登場人物が多いので難しい面もある。

子どもVS大人、というテーマになっているけれど、これは現代でも通用するのかな? 高度経済成長期とは違って多様性の時代だから、子どもをがんじがらめにする親はいないんじゃないかな?
それよりも、格差社会や無関心が現代のテーマになる気がしますね。

とにかく、少年にとっての秘密基地という欲求を見事にキャッチした作品だと思います。
本作は少年のニーズを意識したわけではなかったそうで、狙ってもしょうがないのかもしれませんけどね。

実は私、大人になってからも秘密基地あそびをしていました。自分で小屋を作ったんです。焚き火などの火遊びも大好きです。
相変わらずだな。




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