嫌味のないラブラブストーリー「陽だまりの彼女by越谷オサム」


越谷オサムさんの「陽だまりの彼女」を読了しました。
男性目線の恋愛小説。だけど女性向けだと感じる。
展開が早くて驚きました。生き馬の目を抜く勢い。こんなに早くて大丈夫?と思う。
だけど彼女があんなことになるとは!

私は読書会を開催しているのですが、そのメンバーに聞いてみた。
「王道パターンてんこ盛りの恋愛小説ってない?」
彼女はしばらく考えて、色々と挙げてくれたが、聞き覚えがあるのが「陽だまりの彼女」だった。
読んでみることにしたのですけど、私が求めているものではなかった。
実は、女性視点の王道恋愛小説が読みたかったのですよ。

というわけで、本作は男性一人称で綴られる恋愛小説です。
社会人になったある日、中学時代の同級生と再会する。その子は当時「学年有数のバカ」と呼ばれ、虐められていた。だが、主人公とは深い思い出があるのだった。
美しく変貌を遂げた彼女と順調に進んでいくのだが……。

2008年発行の作品。2013年には映画化もされている。

男性視点の丁寧な心理描写、イチャイチャ描写、ちょっとハズしてコミカルにする描写。とても読みやすかったです。
「これは女性の方がウケるよな」と、思いながら読んだのですが、違いますか?
イチャイチャエピソードのチョイスが女性向けだと思ったんですけどね。
女性ってこういうの好きそう…、と随所で思う私です。

いや、私がもっと若ければ、「こんな風に彼女を喜ばせたーい」と思ったのだろうか? 老いなのかなこれは?
考えないでおこう。ハハハ。

ストーリーは、彼女に謎が秘められており「なぜ子供の頃の記憶がない?」「なぜ裸で外を歩いていた?」「なぜ相談もなしに貯金を下ろした?」などが主人公と読者にのしかかります。
ですけども、ラブラブ描写が多めですね。

中でも、おでこをツンとくっつけてくる仕草に、私は何やら記憶を呼び覚ましそうな、いやそんな記憶はなかったような、微妙な心境が押し寄せる。
うーむ、つややかな黒髪が、私の右肩にツンと押し付けられたのは幻だったかなぁ?

ちょっとネタバレ気味なことを書くので下記よりのり弁文章にします。選択範囲にすれば読めちゃうと思います。

展開が早かったので途中からは純愛系ファンタジーだなぁと分かりました。特に「いま、会いにゆきます」に似てるんだろうなぁと。
最後の別れを悔やむシーンは良いですね。男性の恋愛物はこうじゃないとね。
ラストは手紙かな? なんて思いながら読みましたが、良かったですね、何年後かにハッピーが待っていそうな終わらせ方で。
個人的には猫がさほど好きじゃないので、生理的な気持ち悪さは覚えるところでした。

未婚女性にオススメな恋愛小説だと思いました。

女性視点の王道恋愛小説を研究したいので、ご存じの方は教えて下さいませ。


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