終盤惜しい「桜風堂ものがたりby村山早紀」


村山早紀さんの「桜風堂ものがたり」を読了しました。
書店員の話でヒューマンドラマな小説。
面白く読みましたが、エンディングは期待したものが得られなかった。
続編を読ませようという魂胆かな?
好きだったのに惜しい。

私が書店員に憧れたことはあったかな?
中学生の頃なんかは、マンガ読み放題なのかな? エロ本をレジに運ばなくても済むので良いな。などと思ったことがあったかもしれません。
いや、立ち読み防止のセロファンを巻くなよと、憎しみの対象だったかもしれん。
そんな馬鹿な中学生だった私ですが、大人になって小説を読むようになりましたよ。

今回はあまり難しくないライト文芸的な小説を読もうと本作を手に取りました。
村山早紀さんは、児童文学出身とのことで、優しくて分かりやすい文体だし、悪い人は出て来ないので安心して読めます。
ストーリーも面白かったんですよ。
若き男性書店員が主人公で、不幸な生い立ちや職場でのトラブルがあっての成長譚。他の登場人物(9人ほど)にもスポットライトが当てられて、それぞれの物語が展開されていきます。

ただし、終盤は残念な点がありました。
おおよそ話の展開は想像がつく中で、唯一展開が読めないあの件がどう決着するのかを楽しみにしていたのに、何もなく終わってしまった。
とても残念に思いました。

登場人物が多すぎるんじゃないかと思ったりします。
メインプロットとサブプロットのバランスが悪いのかな。
わたくし的には登場人物を削ってでもあの件を解決してほしかったです。

とても惜しい。
優しいストーリーで最後まで読ませるのは本当に素晴らしかったのですけど、あの件の解決を読みたかった。

という、気持ちにさせるのがラノベ手法なのかな?
私がもう少し若ければすぐ続編に手を伸ばしたかもしれません。
今の私には、期体に応えてくれなかった作家さんという印象が残りました。

良かった点は、ある登場人物が嘘をつくのですが、秘密の共有って感じでワクワクしますね。
「主人公、まんまと騙されてるぞー、キャー!」
なんて、思います。

続編を読めばめちゃめちゃスッキリする、というような情報をお持ちでしたら、ぜひ教えて頂きたいです。

登場人物の視点の切り替えと、登場人物の嘘にとても魅力を感じました。

また、上巻を読んだあと、しばらく経ってから下巻を入手したのですが、離れ離れの恋人たちが再会したような表紙で、そこには満足したところです。

もしかしたら、男性が求める結末と女性が求める結末は違うのかもしれませんね。
こういうのも勉強だなー。


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