江國香織さんの「つめたいよるに」を読了しました。
とても短い短編集。21篇あります。
とにかく「デューク」は何度読んでもうるっとくる。
数編だけ読んで積んでいたのですが、他の作品もファンタジー色が強くて読み応えある。
やっぱこの短さで心に何かを残せるのが凄いし、そこで終われるのが凄い。
あと、食べ物がよく出てくる。
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NHKのラジオ高校現代文講座とかってのを聴いた。「デューク」が取り上げられていた。教科書に載っているようだ。全文朗読してくれた上、解説まであったのだが、それでもそれでも活字で読みたいと思った私は「つめたいよるに」という短編集を手に入れた。
「デューク」は何度読んでもうるっとくる。
この短さでこの感情を、私の心をゾワッとさせる力を宿らせるのが凄い。
言葉がオシャレで、展開が早く、会話文も意味深で、全部凄い。凄い。凄い。
「#名刺代わりの小説10選」というのがTwitterのタグであるのですが、私はこれを1つに選びます。
他のも20編の短編があるのですが、ファンタジーが多めです。
すごく短いのですが、すごく奥行きがあって、どれもなかなか良いです。
特に「いつか、ずっと昔」「晴れた空の下で」この2つが好きで、どんどん新しい真相が積み上がって、最後は元の場所、というのがぐるぐるぐるぐる読める。
どれも主人公が違ってて、その書き分けも面白いし、短さと、さっと終わる力強さも凄いんです。
あと、食べ物や料理が頻出します。
このせいで、ファンタジーの中でもリアリティが増すんだろうなぁ、キーアイテムって感じ。
こういった、物語の共通点があると、私のような文学に浅い人でも愉しめますね。
さて、私も小説を書くんですけど、最近は短い話でめちゃめちゃ面白いのを書いてトレーニングしようと思っています。2000字~6000字。
これに絶対に食べ物を出すとか、絶対に京都の地名を入れるとか、マイルールを元に書いていくといいかもしれませんね。
自分が好きなものを入れると質感が増すと思う。
ファンタジーの中には、ファンタジーだけじゃダメで、絶対的なリアリティがないとアカンと学んだ。
こんなことを学びまして、いつも独りで過ごす、つめたいよる、を乗り越えて生きようと思います。
びょうびょう泣くわ!