アニメ映画「犬王」を鑑賞してきました。
室町時代の京都が舞台で能楽師「犬王」と琵琶リスト「友一(友魚)」の物語。
「これはフェスだ」と評されている通り、アニメーションロックフェス。
女王蜂が好きな人は必見。スタンディングで見たい映画。
私は足でリズムを刻んでた。
○
私は昔からアニメが好きです。ファンタジーが好きなんだろうな。
「犬王」は京都が舞台であるし、能楽師という踊りがテーマであるし、呼ばれたような気がしたので観に行きました。
ハマる人はハマる。ハマらない人は全然だと思う。万人にはオススメしない映画です。
ストーリーとしては面白くない、「どろろ」っぽい感じだけど、復讐劇にしては楽しそうに生きちゃってますから、カタルシスが生まれません。
ですけど、ロックフェスに行って面白かったかどうかって、評価基準として正しくない。
ハートが熱くなったかどうか? それが問題だ。
私はめっちゃ熱くなりました。
私、実は、盆踊りの愛好家でして、夏の夜に提灯の元で汗びしょびしょになって踊ります。
盆踊りのルーツのようなものを知れるのではないかとの期待もあったのです。
ですから、犬王の舞いを見て、盆踊らースピリットが燃えた。
テーマに怨霊が絡んでくるので、盆踊りの環境と似たところがある。
「この夏こそ、俺はスパークするぜ」
と、劇場を後にしました。
ストーリーの中で、怨霊から得る物語を踊りにする、という描写があったのですけど、これは物語論と同じだと思いました。
物語というのは自分で考え出すものではなくて、語られたい物語があって、それを代わりに伝えるのが作家の役割。というようなことを、小川洋子さんが書いておられたのです。
犬王と友一の物語は語られたがっていたわけで、今でも京都のどこかで琵琶と踊りのセッションが繰り広げられているのかもしれません。
劇中では六条の橋になってましたが、六条の橋はないので、正面橋の辺りでしょうかね。
女王蜂、ロックフェス、クイーンなんかが好きな人は、ビンビンに感じてしまうのではないかと思います。
前述した通り、私は盆踊りに力が入りそうなのと、あとマンドリンを弾いたりするので、その魔改造に着手することになりました。
そういう小さくない影響を受けました。
どうせ見るなら劇場で、願わくばスタンディングで、そんな映画でございます。