好きを語ろう読書会 in Holiday(後編)


「赤毛のアン」を最近はじめて読んだところ、娯楽の少ない時代でアンが愉しみにしているものは「お茶会」だったのです。
娯楽の多い時代になりましたが人間の本質は変わってないのでは? 私も「お茶会」を楽しみにしたい。
こんな気持に背中を押され、休日の読書会を実施しました。

この記事は後編になります。
(前編はこちら>>好きを語ろう読書会 in Holiday(前編)
以下5冊の本を紹介します。

死ねばいいのに(京極夏彦)

紹介者:モリモリ

インタビューだけで展開されるミステリー小説。
ある男が、あさみ、について色んな人物に話を聞きに行く。
あさみもそれぞれの人物もろくでもないのだが、「死ねばいいのに」というフレーズからその印象が逆転する。

万人には刺さらない本だと思うが、読書はエンタメであり逆転があるから面白い。
この本のテーマは菩薩。
読めばその意味が分かる。

ひまわりは恋の形(宇山佳佑)

紹介者:ひゆ

紹介者はひまわりが好きで装丁に惹かれた。帯には「世界一遠い遠距離恋愛」と書かれてあり、どういうことだろうか? と本書を手に取った。

主人公は就職活動で50社受けたが落ち、ニートになりどん底。
だが不思議なアルバイトを見つける。桜の花びらを集めると1枚1円で買い取る。だけど納品は8月なので、保存することができない。ならばと手作りで花びらを作った。たくさん作った。
納品の指定場所に行くと、女の子が立っていた。その子の指示通りに丘の上で花びらを撒き散す。夏の夜、丘の上の花吹雪。

主人公はその子に惹かれるのだが、なかなか会うことができない。
なぜならば、女の子には秘密があるからだ。
彼女は特殊な体質で1年で7日間しか起きていられないし、太陽光にも当たれない。

眠ってる女の子に恋をする、世界一遠い遠距離恋愛。

ちなみに、本書とは関係のない話ですが、紹介者は本の冒頭と結末を最初に知ってから、読み進めるそうです。会場からは驚きの声が上がりましたが、一人だけそれに同意する人がいました。
読書のしかたも人それぞれですね。

恋と股間(杉作J太郎)

紹介者:ヒロム

思春期の男子のための処世術の本、あるいは恋愛指南書。
本書はよりみちパン!セシリーズで、色んな著者が10代向けに書いていて名作が多い。
若い頃に読み、人生の土台になっている。
著者はサブカルに造詣が深く、40代を超えた大人の血と汗と涙の結晶たる内容。
恋愛に関する記述では、「好きと言われて怒る人はいない」だから好きと言っちゃえばいいんじゃないか。
だけど、ポエムメールはやめておけ。
あるいは、人は失敗しないようにするけれど、それは起こるのが当たり前なんだ。
などと、前向きになれる内容。

たしかに、よりみちパン!セシリーズはどの作品も若者への愛に満ちていて素敵だと思います。

黄金の稲とヘッジファンド(波多野聖)

紹介者:なっちゃん

高度経済成長期からコロナ禍までを金融業界の視点で描く小説。
時代に翻弄される人々を描く。
上司の神宮寺が神的なポジションですべてのトレンドを言い当てる。
バブル前は本物の金融マンがいた。成長が見込める産業を育てるために投資していた。これらのノウハウをちゃんとデータ化していたら日本は世界に立ち遅れることはなかっただろう。

紹介者は金融関係のITシステムに係わるので勉強のために本書を読んでみた。

表紙に描かえる稲、冒頭でも出てくるが読後にはこの印象が変わる。

つめたいよるに(江國香織)

紹介者:おでん

紹介者は中2の頃から小説を読み始めた。最初は椎名誠にハマった。
高校生になって江國香織のターンが来た。
それ以来本作はなにかの度に読み返す。去年も読んだし、今年も読んだ。
紹介者にとっては、定期テストのような本になっている。
若い頃から読んでいるので、その当時の自分との違いが知れる。
21編の短編集で、自分の中ではそれぞれの絵が出来上がっている。
あるいは、それぞれがカクテルのようでもある。
江國香織さんは言葉の選び方が素晴らしい。泣くことについて「びょうびょう」と表現したり、独特の擬音。
何度も読んで、本の内容が自分の記憶かのようになっている。

親友みたいな本との読書体験、素晴らしい。

紹介された本は以上です

感想その2

ここからは幹事からの感想や反省。

今回、開催してみて、思っていたよりニーズが高い、そして、身の回りにも読書好きは多かった、ということに気づいた。
興味ありそうな人を誘ったのですが、直接誘った人の参加率100%! 6人誘って6人が参加すると返事が来た。読書会って求められている!
そして、出会ってから5年以上は経過している面々の、紹介する本のジャンルや紹介する時のスタンスが知れて新たな発見、面白い。

人が本を紹介する時、意外にも意図がぜんぜん違う。
ぜひ本を読んでもらおうというスタンス、本の力を借りて自分語りをするスタンス、上手くプレゼンしたいというスタンス。あるいは、とりあえずなにか喋れたらいいなぁというかわいい人もいるし、めっちゃ圧のある暑苦しい人もいる。
個性豊かですごく面白い!
紹介本を見てもらえば分かる通り、山あり谷ありでしょ?
「死ねばいいのに」で戦々恐々とし、「ひまわりは恋の形」でぽわんとなり、次は「股間」ですからね。守備範囲を広くしないと対応できないぜ。

というわけで、とても好評でしたので、2ヶ月に1回くらいは招集することになりそうです。
この休日バーションは「お茶会」だから、招待制っぽさはキープしたいなぁと思っています。「きゃ、お茶会に誘われちゃった」とワクワクしてほしい。
ですけど、参加に興味のある方はとりあえず私に連絡してみて下さい。次回にお誘いできるかもしれません。

平日の夜バージョンはオープンに募集しており、京都伏見桃山あたりで、第3水曜日に定期開催しますので、情報を追っていただければと思います。

あー、また次回が楽しみだから「お茶会」としては成功だなっ!

紹介本リンク

死ねばいいのに(京極夏彦)https://amzn.to/3uQoD7X

ひまわりは恋の形(宇山佳佑)https://amzn.to/3uTJdUU

恋と股間(杉作J太郎)https://amzn.to/3EvJktg

黄金の稲とヘッジファンド(波多野聖)https://amzn.to/3jPA1eb

つめたいよるに(江國香織)https://amzn.to/3ErXT0O


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