好きを語ろう読書会9ギジロク(サム卓)


2021年12月1日(水)、好きを語ろう読書会(京都伏見桃山)が招集され、10名で好きな本を紹介しあいました。

純喫茶のようなコーヒーチェーン店で19:00~20:00の1時間、計10冊の本が紹介されました。

今回は10名ということで5名づつに分かれ、1時間で実施するには最適な人数になりました。

サム卓で紹介された本は下記になります。

電波的な彼女(片山憲太郎)

紹介者:サム

凶悪犯罪や猟奇的事件が横行し治安が悪化した日本が舞台。
あまりにも治安が悪いのでサムの中で「この世界には絶対生まれたくねぇ小説オブザイヤー」を受賞した作品。
不良と恐れられている主人公柔沢ジュウはある日手紙で呼び出され、堕花雨という少女に忠誠を誓われてしまう。
最初は関わりたくないと思っていたジュウだが、次第にうけいれるようになった。
そんな中クラスメイトが連続殺人の被害者となり、殺人犯を探すことにするが…。

ミステリーだが犯人やトリックを推理するというより、「なぜ犯人はそういう事件を起こしたのか」という犯人の心理に焦点があてられている。

料理の四面体(玉村豊男)

紹介者:Siri

レシピものっているが、ほとんど作者の独自の料理理論が紹介されている。
すべての料理は油、水、空気を底面(ナマモノの世界)とし、火を頂点とする四面体で表すことが出来る。火の頂点に近づくほど加熱するという考え。

生の食材(豆腐)を水の辺を通って火の頂点に近づくと湯豆腐、油の辺を通って火の頂点に近づくと厚揚げ…のように表せる。
料理は好きだが、このような考えをしたことがなかったので面白いと思った。

それ以外にも料理の小ネタや雑学が沢山あり、サラダの語源は「塩」なのでステーキも塩をつけて食べたらサラダである。
という理論を唱える作者は料理界の異端児らしいです(笑)

蜜蜂と遠雷(恩田陸)

紹介者:TSUNA

優勝すると将来が約束されるという大きなピアノコンクールの話。
審査員の弟子で優勝候補マサル、サラリーマンをしながらコンクールに出場する明石、天才少女としてデビューしたもののしばらくピアノ界から離れていたあや、天才ピアニストの秘蔵の弟子である風間、の4人が優勝を目指す姿に焦点があてられている。
この本の1番の魅力は、文字でそれぞれの個性あるピアノの演奏を文章であらわすのに果敢に挑戦しているところである。
そしてそれがちゃんと伝わってくるところがすごい。

賛否両論、異端な演奏をする風間が好き。
ドラマ部分もあるにはあるが、売りはそこではなくてやはりピアノ演奏シーンであり、芸術性を感じる。

百人一酒(俵万智)

紹介者:TAKA

歌人である俵万智さんがお酒をテーマに書いたエッセイ。
ウィットに富んだ文章や、俵さんの人間観察力がいいなと思える。
北海道のニッカウイスキーを作るツアーがあり10年後に受け取り飲むことができるが、カップルで参加が多い。
さぁ、はたして10年後には何組のカップルが生き残ってるかな??(笑)
今はコロナでやってないそうです。

俵万智さんのエッセイには俵さんの財力ならではの高価なお酒が出てきて、真似して手を出すのは難しいものが多い。
文章も柔らかく読みやすい。

テレーズ・デスケルウ(モーリアック 訳:遠藤周作)

紹介者:タクミ

フランスのノーベル文学賞をとった作家モーリアックの作品。
主人公テレーズは美人ではないが魅力のある女性。
結婚して娘もいたが、ある時旦那であるベルナールを毒殺をしようとして失敗する。
世間体を気にする父が後始末を引き受け、1人家へと帰る道すがら、毒殺へと至る自分の内面を掘り下げるという話。
それまでの文学では殺人にはそれ相応の理由があるのが当然だったが、この話では殺意も悪意もなく毒殺をしたのが画期的とされた。
人はよくわからない理由で人を殺す事がある。
スッキリしたい人にはオススメしないが、読み終わった後のソワソワした感じ、落ち着きのなさがすごく文学的である。

以上5冊の要約はサムでした。

音声データ

こちらから聞けます。


もう1卓の要約は現在準備中ですので、しばらくお待ち下さい。

事務局グロの雑記としては、
今回、会場に使わせてもらってるカフェから会計がスムーズになるようにという打診がありました。良くも悪くも特別対応が必要なグループに認定されたようで、嬉し恥ずかしです(笑)
12名が閉店間際に個別会計されると、ちょっと困ってしまわれるようだ。
というわけで、極力事前に会計を済ませる方法をとることにしました。
テーブルで集めるのも良いのだが、キャッシュレス決済する人も多いのでそれもまとまらない。
次回からできるだけキャッシュオンで注文することにしよう。

また、今回はリピーターばかりで、とてもやりやすかったです。
一方で、新しい人もどんどん集めたいと思っておりますので、キャパを広げていこうと思っています。
まだまだ、もっと近所の人が集まるべきだと思っているんですよねー。そうやって地元の文化レベルを上げたいと思っています。

というわけで、またよろしくお願いします。

次回

12/22にやります。
好きを語ろう読書会10話(こくちーずに飛びます)

リンク

電波的な彼女(片山憲太郎)https://amzn.to/3ryrNvJ

料理の四面体(玉村豊男)https://amzn.to/3GenGsP

蜜蜂と遠雷(恩田陸)https://amzn.to/3prVpsf

百人一酒(俵万智)https://amzn.to/3xOFjMW

テレーズ・デスケルウ(モーリアック)https://amzn.to/3rxDKBX


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