男女交互視点の恋愛小説「ぼくの嘘by藤野恵美」


藤野恵美さんの「ぼくの嘘」を読了しました。
高校生の男女交互の視点で語られる恋愛小説。
オタッキーな男の子とタカビーな美少女の組み合わせが微笑ましい。
ライト文芸らしく愉しくて読みやすい。
だけど気をつけて! これは「わたしの恋人」の続編らしい。

私は小説を書いており、願っているのは、書籍化とアニメ化!
ですから、ライトノベルとかライト文芸とかキャラ文芸、このあたりのタッチと言うか、書き方を学ぶ必要があるな、と思っているのですよ。
そんな中、表紙を見て、これは良さそう、と思ったのが本作です。

実は私、著者の藤野恵美さんにはシンパシーを感じていて、年代が近い上に、食べ歩きブロガー出身という点に惹かれているのです。
さらに言うと、私が書きたいような作品をすでに藤野恵美さんが書いている。
おばんざいの料理教室を舞台にした作品や、中国の老子をテーマに加えた作品があって、「僕が書きたかったやつやん」と、思っていたりするのです。
そして!
男女交互の視点も書きたくなりますよね。
そう、本作はまさしく男女交互視点の恋愛小説。

男女交互視点といえば、「夜は短し歩けよ乙女」が出てきますので、どうしても比べてしまうんですよね。夜は短し…はめちゃめちゃ面白いですからね。
違う点を挙げると、ファンタジーではない、男女ともに別に好きな人がいる、女の子が自分の美しさを知っている高飛車な美少女、このあたり。
別に好きな人がいるのに、なぜ主人公の二人は絡むのか? というところに物語の工夫があると思います。
失恋を描いた作品でもある。

面白かったのですが、先に文句を言っておくと、これは「わたしの恋人」という作品の続編らしくて、それを知った瞬間に「分かりやすくしとけや!」って叫びました。
作中にネタバレが含まれているみたいで、もどかしい。
前作を読まなくても本作を愉しめるのですが、本作を読んでから前作を読むのって、、、意欲が湧かないなぁ。
シリーズものは、ちゃんと表紙とかに匂わせておいて欲しい。

本作の魅力は、自分に自信のある美少女と、内向的なオタク男子が交互にくる面白さですよね。サウナと水風呂を往復するような心地よさです。
二人ともキャラが立っていて良いです。

この展開を読み進めると、この二人は結ばれるんだろうなぁ、という予測は立つわけで、じゃあどんな風に結ばれるのか? が大事になりますよね。
個人的にはラストにあまり納得ができなかったので、評価は下がるし、「ぼくの嘘」というタイトルはどんでん返しを期待してしまうので、ちょっと違うかなぁ。
ですけど、とにかく、最後まで愉しく読めました。

ライト文芸らしさというのは、会話文の多さと、主人公の若さ、あと主題が恋愛ってことですかね。
会話文は得意なので、私も長編小説を頑張ってみたいですー。



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