地元が舞台の京都キャラ文芸「京都伏見は水神さまのいたはるところby相川真」


相川真さんの「京都伏見は水神さまのいたはるところ」を読了しました。
少女漫画みたいで、読者層のニーズに応えているんだろうな。
我が地元をとても上手く物語に取り込んでくれている。
でも残念ながら、私は少女じゃない。

私は生まれも育ちも京都伏見です。
けっこう歴史のある町で、出自に誇りを持ててるし、自分が小説を書くならばその魅力を活かしたい。なんなら聖地巡礼とかやって欲しいし、私に会いに来てもらっても構いません。
そう、よく、そんな妄想を描いている。

しかし、すでに我が地元を舞台にしたキャラ文芸が存在するのだ。
「京都伏見のあやかし甘味帖」を読んだことがある。そしてこの度「京都伏見は水神さまのいたはるところ」も読んでみました。
なかなか良くできていた。

本作も京都キャラ文芸あやかし系なのです。
・妖怪が出てきて問題を起こす
・主人公(の仲間)も特殊能力を持っている
・1章づつトラブルを解決するオムニバス

主人公はおっとりした女子高生。他の人には聞こえない音が聞こえたりする。
そして年上の幼馴染の男子大学生に世話を焼かれる。頼りがいがあって他の人にも人気がある。これがポイントですが酒蔵の息子! 伏見っぽい!
さらに蛇の化身で人間化する男子。水を操る力があるようだ。

幼馴染も蛇の化身もヒロインが好きで、取り合いします。少女漫画っぽい展開。
蛇の化身はなぜヒロインの周りにいるのか? なぜヒロインは不思議な音が聞こえるのか? 蛇の化身は危険な存在なのではないか? などの謎で物語が進みます。

章ごとに同じような説明があることには違和感を覚えましたが、ストーリーは面白く読めました。

ヒロインが危険な目にも遭うし、成長もするし、いい筋だと思うのですが、いかんせん私は少女ではないので、「少女にはこういうのがウケるのかなー」という視点にはなります。ヒロインも問題解決のために行動するのですが、あくまでも守られる女の子の話なんですよね。恋にも奥手というキャラでドキドキの恋愛ドラマにはならない。キュンが足りない。
ベタかもしれんけど、実は相思相愛だが素直になれなくて、あるいは誤解があって、妖怪のトラブルを解決することによってちょっとづつ恋が進展するような筋でいいのじゃないかなぁ。なんて思ったり。

やっぱ、ヒロインの印象が薄いので、何かしらの激しさのあるキャラ作りが大事なのかなぁ。

地元伏見の設定はうまく使われている。中書島、丹波橋、墨染、桃山、稲荷など馴染みのある土地ばかり。舞台の高校に関しても、それは京都教育大学じゃないのかい? と思ったりして楽しかったです。
ですので多くの少女たちに読んで欲しい作品です。

現在7巻まで出ているので、やはり京都キャラ文芸のニーズはあるようですね。
勉強になりました。


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