ブラタモリ的な女子高生、好きだ「トーキョー・クロスロードby濱野京子」


濱野京子さんの「トーキョー・クロスロード」を読了しました。
表紙に惹かれる。倒れている様に見える女子高生!事件性がある!
だが読んでみると恋愛小説で、淡く、揺れ動く恋心にキュン。
山手線沿線を歩き回る描写が好きでした。

「書籍化するような物語が書きたいなぁ」
と、私は夢を描く。
でも、芸術的な文章は書けないし、どっちかというとみんなに伝わる分かりやすい文章を書きたいタイプ。
これは、児童書とかティーンズ向けの小説になら活路があるかなー?
「そういうの読んでみよう」
と、書籍を探す。

なになに? 「ポプラ社ピュアフル文庫」
わぁ、ピュアフルって、なに。甘くて、可愛くて、ストロベリーみたいな感じ? プリキュアみたいな感じ?
何冊か見繕うと、惹かれる表紙を見つけた。
女子高生が倒れ込んでいるかのようだ。
気になる!

とまぁ、こんな感じで、本作を手にとってみました。
SFテイストかと想像しましたが、恋愛小説でした。

主人公は女子高生。まじめな委員長タイプ。
だけど「そこはかとなく悲しい」と思っている。だから、自分を知る人のいない町を歩く。探検する。普段の自分から抜け出す時間を過ごす。
そしてばったり、中学校以来会ってないアイツに出くわす。ああ、あの思い出が蘇る……。
また、学校でも進級にともない新たな出会いがある。
なぜか留年した男子。居眠りしたり欠席が多かったりミステリアス。
でも、なんか優しい。
この二人の間で揺れ動く恋心がメインストーリーになります。
前者はワガママで何を考えているか分からず、振り回されてしまう。でも惹かれる。後者は優しくて好きだと思ってくれてそう。だけど私の気持ちは……。
前者と後者のエピソードが交互に描かれています。
「どっちとどうなるんだろう」なんて、ハラハラドキドキ。

さて、話は変わりますが、私は歩くのが好きで、ついつい長時間あるいてしまいます。色んな発見があるんですよ。この物語も主人公が東京の山手線沿いを歩くストーリーで好感を持ちました。
恋愛を描きたかったのか? 東京の町を描きたかったのか? と分からなくなるくらい。

また、主人公がジャズの生ライブに誘われて、大人の世界に入っていくのもいいなぁと思いました。ジブリの「耳をすませば」の空気感が漂う。カントリー・ロードのシーンが私は大好きですから。

「これは名作やないか!」って私は思ったんです。
だが、2008年発行で、さほどは注目されずにここまできたようだ。
高校生向けドラマとして映像化されても良いのになぁって思うのにな。
メインユーザーたるティーンから見ると、刺激が足りなかったのだろうか。
確かに、派手さはないかぁ、街歩きとかジャズでは。
トレンドを上手くキャッチしないとヒットしないのかなぁ。
難しいですね。

とにかく、
・どっちと結ばれるのか? という展開にはワクワク
・作中に音楽が絡んでくるのはいい
・男はミステリアスな方がいいのかな? どうかな?


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